タイ・バンコクから東南アジアでの仕事や生活、日本人の東南アジア現地採用、日本について考えるブログ

2013/11/29

タイ人の言う「リラックス」

■日本人とタイ人の違い

見た目だけでなく言動や好み、性格など、日本人とタイ人とでは違う部分が色々とある。
言葉の捉え方ひとつ、例えば「リラックス」という言葉の概念についても、同様に違いがあるように思う。

あるクライアント(日系の食品メーカー)から、「この商品を買うと癒される」というコンセプトで他のメーカーと差別化し、タイで知名度を上げたい。「癒し」をコンセプトに、コミュニケーション戦略を練りたい、と依頼があった。
ターゲットは大学生と20代の若者。

日本で「リラックス」と言えば、ほとんどの人が
・静かに
・まったり
・肩の力を抜いて
・ぼーっと
・ゆっくり
過ごすことをイメージすると思う。

私にとっての癒しは夕陽を見ること!

このクライアントは、何の疑いもなく「日本のリラックス=タイのリラックス」だと思っている。

しかしここはタイ。このまま進む前に
・タイ人にとって癒しとはどのようなことを言うのか、日本人が言う「癒し」と合致するのか
・タイ人に「癒し」と言ってウケるのか、そもそもタイ人は癒しを必要としているのか
ということを考慮する必要がある。

■タイ人に聞いた「リラックスって何?」

このクライアントのターゲットは大学生と20代の若者ということで、
「あなたのリラックス方法は何ですか?」という質問を、ターゲットグループの数十人にした。
サンプル数が少ないので統計的な情報としては使えないけど、
大まかな傾向を見る上ではある程度参考になると思う。

返って来た回答は、
・友人と過ごす(おしゃべりする、騒ぐ、買い物に行く、サイクリングに行く、旅行するなど)・・・80%
・ひとりで過ごす(寝る、瞑想する、本を読む、音楽を聴くなど)・・・20%

ということで、圧倒的に友人とわいわいガヤガヤ過ごす、と答えた人の割合が高かった。

会社のタイ人(20代前半)に、「リラックスするって、ゆっくり何もせず過ごすことなんじゃないの?!」と聞くと、「タイの若者にとって、fun time=relaxなんだよ」と返ってきた。

ワイワイ友達と遊ぶこととリラックスがどうしてもイコールで繋がらない私は(人と会うとそれなりにエネルギー使うし)、
「タイの若者はそもそも疲れないの?癒しを必要としていないの?」と聞いた。すると
「タイの学生は勉強がハードだから疲れるときは疲れる、息抜きは必要」と言っていた。

私が想像していた以上に、タイの若者はエネルギッシュで(というかエネルギーが有り余ってる感じ)、人が好きで、寂しがり屋(?)なんだと思った。
30代、40代、50代を対象にこの調査をしたらどうなるのか気になるところ。
さすがに若者ほどのエネルギーは無いだろうから、「静かに過ごす」人の割合は増えるとは思うけど、、、


当たり前だと思っていたことを疑うと、面白い一面を見つけることが出来る。かもしれない。