タイ・バンコクから東南アジアでの仕事や生活、日本人の東南アジア現地採用、日本について考えるブログ

2015/08/23

「現地採用」に意味付けをするということ

東南アジアでの現地採用という選択肢は、日本ではまだそんなに一般的に知られていないことかもしれない。

知っている人からすると、現地採用について思うことは様々。
ポジティブな評価をする人が居る一方で、
・日本でまともに働けない人が東南アジアに逃げただけ
・現地で遊びたいから(夜遊び等)現地採用をしているんじゃないか
・日本の会社から派遣されたわけではなく、自ら日本よりも暮らしづらい東南アジアに単身来るなんて、どうかしているんじゃないか
・将来のキャリアプランをしっかり考えてないから現地採用なんていう選択をしたのではないか

等、現地採用そのものをネガティブに捉える人も少なくはない。

私の知人(女性)は、マレーシアで某大手日系企業で働いていたけど、営業先で「現地採用なんてしていて、将来はどうするつもりだ」と、説教をされたことがあるという。

自分の評価基準よりも他者の評価基準を優先してしまう人は、これらのネガティブなコメントを真に受けてしまう。
「自分の決断はやっぱり間違っていたのだろうか」「さっさと日本に帰ったほうがいいのだろうか」と、悩み続けることになる。
異国に居るというストレスも重なり、この状態が続くと鬱っぽくなったりする。

「現地採用」というだけでダメ出しをしたがる人の特徴として、
1. 「社員は会社に忠誠を尽くし、会社はその見返りとして社員を庇護する」という昔の終身雇用の価値観に未だに染まっている人
2. 日本や日本人は未だにすごいと過信している人(=外の世界を知らない人)
3. 今まで自分で何か大きな決断したという経験が無く、他人の価値観に合わせて自分をごまかしながら生きてきたので、自分で働く国を決めて単身乗り込んできた現地採用がうっとうしい
のどれかが当てはまるのではないかと思う。

現地採用をしている以上、ネガティブな考えに遭遇することは少なからずある。
その時に自分なりに意味付けが出来ていないと、心がくじけてつらくなって頑張れなくなる。リスクを負って日本からはるばる来た意味が半減する。
私は、「現地採用」という選択そのものにはそれほど大きな意味は無いと思う、ただの事実である。なので、それに対してアレコレ言われてもナンセンスとしか思えないし気にしない。
それを通して何を得るのか、その経験をどう今後の人生に役立たせるのか、というのが全てなんじゃないかな。
ちなみに私なりの現地採用の意味付けは
・日本人以外と仕事をする
・英語で仕事をする
・多様な価値観にふれる
・日本を客観的に見る訓練をする
であり、現在仕事を通してこれらを実現出来ている。今後サバイブするために必須なことであると思うので、現地採用という選択を後悔して無い。

逆に、自分なりの意味付けがある程度出来ていない段階で現地採用をすると決めてしまうのは、おすすめしない。よっぽど柔軟性があるか能天気な人でない限り、早い段階でくじけてしまうのでは、、、と思う。

2015/08/21

正直過ぎる営業

今日はタイ人営業ふたりと一緒に客先打ち合わせに行った。
クライアントは、あるオンライン決済サービスを提供する会社。

打ち合わせ中、先方の日本人がうちのタイ人営業ふたりに
「普段、オンラインショッピングとかする?」
と質問。
オンラインで買い物をする人が増えれば増えるほどクレジットカード決済等でその会社の決済サービスが利用されるので、その質問をした人は、より多くのタイ人にオンラインショッピングをして欲しいと切に願っている。
しかしその期待とは裏腹に、ふたりは揃って
「オンラインショッピングはしない」
と回答。
理由を聞かれると
「そもそもオンラインで何かを買うというのが自分の好みではない」
「オンラインでの支払いに抵抗がある」
「オンラインで売られているものは信用出来ない」
と回答。
先方は、「じゃあ、例えばテレビショッピングだったらするの?」
と質問。すると
「する。注文は電話で。支払いは銀行振り込みで。」
と回答。
先方は「オンラインエージェンシーがこんな回答しちゃ駄目だよ」
と苦笑い。。

正直過ぎて、聞いているこちらはとても気まずく、どんな表情をすればいいのか分からなかった、私もひたすら苦笑い・・・

日本人ならもうちょっと気をきかせて
「あんまり詳しくは無いんだけど興味があってこれからオンラインショッピングしてみたいと思ってます」ぐらいは言うだろう、と思った・・・。
そんな金曜日。


2015/08/15

専業主婦と消費者目線

私の母親は専業主婦である。
結婚して以来ずっとなので、もう25年以上経つ。

実家に帰省した際母親と話をしたり一緒に行動をした中で思ったことがある。
お店で売られている商品や提供されるサービスに対する評価が、必要以上に厳しいのではないかということ。(原因は性格にもあると思うけど)

例えばスーパーで売られているものに対してすぐ「これは美味しくなかった」「これは良くなかった」とけなしたり、レストランで料理が運ばれてくるのにちょっと時間がかかっただけですぐ文句を言ったり、店員のちょっとした態度にいちいち腹を立てたり・・・
どれも自分からすれば「大したことじゃないのになぁ」と思ってしまう。(自分が普段東南アジアで生活していることも関係しているかもしれないけど)

逆に外で働いていれば、例えば商品が世に出回るまでの大変さを知っているので安易に商品をけなしたりしないだろうし、また自分の期待したサービスが受けられなくても「たまにはそういうこともあるよな」と受け流すことがしやすいと思う。(「こういう対応は客側は嬉しくないんだ、自分は気を付けよう」と、その時の経験を反面教師として仕事に活かすことも出来る)

専業主婦は外で働いている人と違って、例えば積極的に地域の活動に参加をしたりパートに出ない限り、外部との関わりが希薄になりやすいし、視野が狭くなりがちだと思う。
直接的に影響を与えたり自分の存在意義を実感出来るのは、自分の家族に対してだけである。
消費をする際はあくまで「消費者」という目線でしか物事を捉えない。なので神経質になりやすいのかなと思う。

日々色々な事が起きるわけだから、神経質になればなるほど不機嫌になりやすく、また生き辛くなるんじゃないかな、不機嫌な時間は自分もその周りも幸福度が低いだろうから。神経質な人は自分で自分の首を絞めて、人生を辛いものにしているように見える。

外で働くということは、社会に何かしらの価値を提供しながら自分の視野を広げていくということで、視野を狭くして自分を苦しめないためにも、とても大切なことだし自分はこれからも続けていきたいと思った。