タイ・バンコクから東南アジアでの仕事や生活、日本人の東南アジア現地採用、日本について考えるブログ

2014/04/28

タイの戦略プランナー

広告代理店の人たちと一緒に仕事をする機会があった。

代理店とこちらで役割分担をして、クライアントにマーケティング施策やメディアプランを提案する、という内容。

その前にまず、全体的なブランドコンセプトやマーケティングの方向性を提案する必要があり、
代理店の社内トップのタイ人戦略プランナーがこの提案を作ってくれることになった。

なんせこれは急に決まった仕事で、この最初の提案を作るのに与えられた時間はわずか1日。

こちらはもともとそのクライアントのことをよく知っていたのだけれど、
このプランナーにとっては初めて。
提案の根拠となるリサーチデータなどの参考資料も不足していて、たった1日でこの壮大なテーマの提案を作れるのかな、とこちらは若干不安に思っていた。
しかし実際に作ってもらった提案を見て、かなり衝撃を受けた。

完成度が高い。
自分じゃとても1日で仕上げられるような内容ではなかった。

数少ないリサーチデータや、この提案のために独自で行ってくれたリサーチの内容がうまく組み込まれていて、
事実に基づいた、上辺ではなく深みのある内容になっていた。

そしてその提案を説明するときの熱意がすごい。

話の仕方も上手だし、説得力がある。

クライアントの意向に反する内容もあったんだけど、
それを突っ込まれたときの、論理的で相手を納得させる返しも素晴らしかった。

かなりかっこいいと思った。(ちなみにこのプランナーは女性)

私がタイに来て一番衝撃を受けたタイ人かもしれない。

タイでこのようにきちんと戦略立案が出来る人材はかなり貴重ということで、
うちのボスいわく月10数万バーツはもらっているだろうということだった。

今自分も企画を考えたり提案したりはするけど、レベルはまだまだ低い。
肩書も「Account Executive」、つまり「営業・顧客窓口」だし。

今は顧客窓口とプロジェクト管理的な仕事の比重が多いけど、
ゆくゆくは自分も「Strategic Planner」(戦略プランナー)と呼ばれるような仕事が出来るようになりたいと思った今日この頃。

2014/04/22

タイのセブンイレブンのキャンペーン

タイでは、日本と同じくコンビニ文化が根付いている。
(隣国マレーシアに行ったとき、コンビニの数がかなり少なくて驚いた。車移動がほとんどで徒歩移動の習慣が無いので、コンビニの需要があまり無いらしい)

タイ人にとって、コンビニと言えばセブン。
日本からはFamily martやLAWSONがタイに進出してきているし、タイローカルや日本以外から来たコンビニもある。
その中でもシェアナンバーワンを握る圧倒的な店舗数(全国に約7,500店舗)のセブンは、タイ人のライフスタイルや好みに合わせた商品や店舗開発を行っていて、タイ人の心をガッチリ掴んでいる。

今日はキャンペーンについて。

タイのセブンは常時何かしらのキャンペーンをしている。
日本でのキャンペーンに比べると、ざっくりでアメージングなものが多い。
今回もそう。「オリジナルドリンクを作ろう」キャンペーン。

まずセブンの店内には、セルフでドリンクを注ぐコーナーがある。
ドリンクの種類もサイズも色々あって、1カップ12バーツから。

これはセブンのfacebookページに投稿された、今回のキャンペーンの告知画像。


キャンペーンの応募方法は、
1. ドリンクとドリンク以外のセブンの商品を買う。商品をドリンクにトッピングして、自分だけのオリジナルドリンクを作る
2. 写真を撮る
3. セブンのfacebookページに写真を投稿する

写真を投稿した人の中から抽選で1人にiPad miniが当たる。

今回数百人が応募したようで、実際に集まった写真がシュールで何とも言えないのでいくつかピックアップ。

▼コアラのマーチがイン

▼こちらもコアラのマーチ。LINEのスタンプもなぜか一緒に。

▼ルールを無視して自撮りフォト

▼トッピングというより積み上げている


▼なんか不気味

▼輝いている

▼またもルール無視

▼また自撮り

▼入れ過ぎ盛り過ぎ

▼ハチが一緒

▼人の顔のチョコがなんだか寂しげ

▼まとも

こーゆーのって、参加するのにひと手間かかるし微妙じゃないの、と思いがちだけど、
楽しいこと命のタイ人からは、例え少し面倒でも、このように遊び要素のある施策は結構ウケているように思う。

2014/04/20

タイ起業熱

タイで起業した友人と飲んだ。

来月のサービスリリースに向けた準備真っ只中でかなり忙しいらしく、休み無く働いている。

「タイをただの市場として見ているのではなく、タイの人や文化に惚れてタイに来た。
タイで起業するからには、タイにいっぱい貢献したい。
でも自分は日本も大好きだから、日本にも貢献したい」

そう語る彼は、タイと日本の架け橋になるようなビジネスを今後展開していく。

サービス内容や今後の事業拡大計画、直近の目標と将来的な目標、起業パートナーへの感謝の気持ちや社長としての自分の役割。これらを語る表情は輝いていて、「毎日楽しくて仕方がない」と言っていた。

どのサービスも揺るぎない信念に基づいていて、
かなりの自信とプライド、そして覚悟を持っているのを感じた。


情熱は人を動かす。


こういったアツい人たちと日本やタイ、仕事、お互いのやりたいことについて話が出来て、
タイ暮らしがより刺激的に、楽しくなっている。


2014/04/16

海外在住者へのよくある質問

タイに住んでいると、
「タイを選んだきっかけは何か」
「なぜ日本を離れて海外で仕事をしようと思ったのか」
「日本に対してどう思うか」

といったことを聞かれることが多い。

これは別にタイに限らず、多くの海外在住者が経験することだと思う。

親しい人から聞かれるのは別に大丈夫。
問題は、そんなに親しくない人から聞かれるとき。
初対面とか、きちんと話をするのは初めての人とか。
これが正直結構キツい。楽しいはずの食事の席が、まるで採用面接みたいになる。

このような質問をしてくる人の多くは、
 1) 自主的に海外に移り住んだ人は、断固たる理由がある
 2) その断固たる理由は、分かりやすくて簡単なものである
 3) 断固たる理由の大きな割合を占めるのが日本への不満である
と思っている。

この『分かりやすくて簡単』というのは、そんなに親しい間柄ではなくても、
ちょっと説明すれば相手が理解出来るレベルの話、ということ。

今回言いたいのは、結構な割合で上記1)、2)、3)に当てはまらない人が居るのではないか、
ということ。

私の例だと、1)は70%くらい当てはまるけど2)は当てはまらない。3)は当てはまるけど、それが大きな割合を占めるわけではない。
つまり、海外に来た理由はあるけど、その理由は簡単に説明出来るものではない。
色々な要素(環境や自分の考え)が組み合わさって、それが最終的な理由になっている。
これは、説明するのが結構面倒というか、相手とある程度親しくなっていないとあんまり説明したくないから、簡単に流すことが多い。


こういった質問をしてくる人に悪気はない。これは断言できる。
基本的な事だから聞かなきゃ失礼、くらいに思っている人も居るのかも。

私も質問されるまで、される人がどう思うかなんて考えなかったと思うし、
興味深々に海外在住者に同じように上記の質問をしてたと思う。

聞かれる側になって初めて、
よくある「海外就職に至るまでストーリー」は、パーソナルな要素を結構含んでいるんだなぁ、と思った。

人のパーソナルエリアに土足で入っていくようなことはしないように、気を付けたい。